あなたは大丈夫!?~テレワークの健康被害~
以前から少しずつ導入されていたものの、コロナウイルス感染拡大防止によるテレワークの普及は、これまでとは比べ物にならないスピードで行われました。かなり日常に根付いてきたテレワークですが、その効率や自由度の高さなどのメリットだけでなく、健康へのデメリットが注目されています。
目次
通勤時間で得ていたもの
テレワークで最も変わる点といえば、通勤時間が無くなることではないでしょうか。これにより自由に使う時間が増えたり、満員電車のストレスから解放されるなどメリットがあります。しかし、通勤時間にも大きなメリットがありました。通勤することが普通になっているとあまり意識しませんが、駅の階段を使う際には脚やお尻が、揺れる車内で姿勢を保つ際には自然と体幹が鍛えられていました。つまり、出勤自体が適度な運動になっていたのです。これらがなくなるテレワークでは、「運動不足」がより深刻な問題となります。
運動不足の恐怖
運動不足は現代社会においてとても身近なため、かえって向きあわれにくいという悲しい現実があります。しかし以下のようなリスクを持った、対処するべき重大課題なのです。
体型へのリスク
運動不足というと、「太る」といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。実際、「自粛太り」「コロナ太り」などの言葉がメディアではよく使われています。日本生活習慣病予防協会参事の田中喜代次氏(筑波大学名誉教授)によると、自宅~職場(往復2時間の場合)や職場内・昼食のための移動の消費エネルギーはおよそ400kcal以上。それに対し、自宅内だけのエネルギー消費は50kcal程度です。差分の350kcalは、大盛りのご飯(200g)のカロリーよりも大きな数値です。これらを考えると、「コロナ太り」という言葉が、流行るのも納得と言えるでしょう。(*1)
命へのリスク
実は以前から、日本では運動不足が深刻な問題として扱われていました。厚生労働省は「運動不足」が毎年5万人の死亡の間接的な原因になっていると指摘しており、「健康日本21」にも取り組んでいます。運動不足による血流や代謝機能の低下は、心筋梗塞・脳血管疾患・がん・糖尿病などの重大な疾患に繋がるのです。テレワークにより、このデータが取られた時よりも更に日常的な運動の機会が減っていることを考えると、意識的に対策することが求められるでしょう。(*2)
メンタルヘルスへのリスク
更に、運動不足の恐怖は身体に対してだけではありません。運動不足によって自律神経がうまく機能しなくなると、イライラが募るなど心の健康にも悪い影響があります。さらに、頭が疲れていても身体が疲れないと寝つきは悪くなります。この睡眠不足によっても気分は暗くなってしまい、やる気や仕事の効率に直接影響します。
テレワークで「特に」気を付けるべき部位
運動不足の重大性を知った上で、テレワークにおいては具体的に何に注意すれば良いのでしょうか。テレワーク中は特定の姿勢を保つことが多いです。そのため,それにより負担がかかる以下の部分にアプローチすることが、運動不足による健康被害を防ぐ第一歩になります。
ふくらはぎ
「第二の心臓」と呼ばれ、重力で戻りにくくなった血液を送り返す重要な役割があります。歩く量が少なくなった分、顕著に筋肉が衰えてしまい、むくみなどの大きな原因となります。
肩・目
これらはオフィスワークでも注意すべき部位なので、対策をしている方も多いのではないでしょうか。しかしテレワークでは、これまで対面形式だった会議や商談がzoom形式などに変更され、画面を見る時間が更に長くなりがちです。そのため、改めて自身の状態を見直し、適切にケアすることが大切です。
腰・背中
移動の機会が減り座ったままの姿勢が続くと、腰に負担がかかり痛む、良い姿勢を保てない、などが起こります。これらは更に呼吸を浅くさせ、頭痛やだるさなども引き起こします。
簡単にできるエクササイズ・ケア
注意するべき部位が分かったところで、それらに効く簡単な方法をご紹介します。仕事の合間の気分転換として、是非やってみてください。
カーフレイズ
その名の通り、カーフ(ふくらはぎ)を上げ下げするエクササイズです。背伸びと直立をゆっくり繰り返します。
バックアーム
身体の前で両手を組み、呼吸しながら背中を丸めて前に伸ばすエクササイズです。疲れた肩や腕に効果的です。
ウインク
ウインクも筋肉運動ですから、リズミカルに行うと目の周りがほぐれます。適度な刺激により涙が出て、目が潤う効果もあります。
他にもできること
簡単な動きをご紹介してきましたが、疲れている時には少しの運動でも面倒くさく感じてしまうこともあると思います。そんな時のために、運動以外の健康対策もいくつかご紹介します。自分の気分に合わせて、組み合わせてみてくださいね。
立ったまま仕事をしてみる
周りの目を気にせずに仕事ができることが、テレワークの醍醐味です。同じ姿勢を長時間続けないよう、棚などにパソコンを置き立って作業することもオススメです。これにより、眠気が覚める、気分転換になる、などの効果もあります。
また、座っている時間を減らすことはNEAT(非活動性熱産生)を増やす効果もあります。少しの工夫で、エネルギー消費量を増やしていきましょう。
※NEAT=“Non-Exercise-Activity Thermogenesis”の略。しっかりとした運動ではなく、日常生活の動きの中で発生するエネルギーのこと。
間食に気を付ける
「周りの目が無いため、仕事中にお菓子を食べてしまう」「つい勤務時間外にも仕事をし、夜食を食べる」といったことが、テレワークだと起こりがちです。健康のためにも、間食をやめる・ヘルシーなものに換える・通常の食事とのバランスを考えるなどの工夫をしていきましょう。
水分をたくさんとる
前述した筋肉の衰え以外にも、水分不足はむくみの大きな原因になります。汗をかいていないとしても、意識的に水分は取るようにしましょう。またこの時には、コーヒーや甘い飲み物などではなく、水やカフェインを抑えたお茶などがベターです。
まとめ
様々なメリットが上げられるテレワークも、気を付けないと運動不足や更なる健康被害をもたらしてしまいます。健康への意識が高まりながらも、なかなか運動する機会がない今こそ、習慣を変えるチャンス!自分に合うやり方を見つけて、是非色々試してみてくださいね。
※出典
*1「テレワーク・自宅待機による運動不足で生活習慣病のリスク」
*22019年「身体活動・運動を通じた健康増進のための厚生労働省の取組み」内の「2007年の我が国における危険因子に関連する非感染症疾病と外因による死亡数」
※参考ホームページ(2021/05/27に閲覧)
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