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【2023年版】ベンチャー企業が活用できる補助金・助成金について詳しく解説

【2023年版】ベンチャー企業が活用できる補助金・助成金について詳しく解説

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新しい技術や独自のアイデアをもとに、新しいサービスや商品を展開することを目指すベンチャー企業にとって、資金繰りの悩みは必ずぶつかる大きな課題と言えます。資金調達にはさまざまな方法がありますが、リスクなく活用できる資金調達の方法として補助金・助成金があります。

本記事では、ベンチャー企業が活用できる補助金・助成金についてわかりやすく解説していきます。

本記事を読むとわかること

  • 補助金と助成金の違い
  • 補助金・助成金を申請してから交付されるまでの流れ
  • ベンチャー企業が活用できる補助金・助成金

補助金と助成金の基本

ベンチャー企業が活用できる補助金・助成金について詳しく解説

まずは補助金・助成金について基本的なことを確認しておきましょう。

補助金・助成金は国や地方自治体などが目的に応じて運営し、一定の要件を満たした事業者に対して支援を行うものです。融資と違って基本的に返済義務がないため、創業間もないベンチャー企業にとっては非常にありがたい存在です。

補助金・助成金はどこが運営しているのか?

補助金・助成金を運営しているのは次の4つの組織です。

  • 経済産業省
  • 厚生労働省
  • 地方自治体
  • 民間団体

それぞれ特徴があり、補助金・助成金による支援を行う目的が異なります。

経済産業省

中小企業庁などを管轄する経済産業省は、その名の通り国の経済の要です。経済を活性化するための支援を行います。

IT分野など、国が推進したい事業に対しての支援に力を入れています。

近年では、スタートアップ期の企業や地方創生に関係する事業を行う企業を対象にした補助金を多く扱っています。高額な補助金も多く、なかには数千万から億といったものもあります。

代表的な補助金として「小規模事業者持続化補助金」「ものづくり補助金」「IT導入補助金」などがあります。

さまざまな補助金を扱う一方、助成金は扱っていないのも特徴です。

厚生労働省

厚生労働省は主に雇用の安定や促進、労働環境の改善を目的とした支援を行っています。

支援は補助金よりも助成金が中心です。

代表的な助成金として「雇用調整助成金」「労働移動支援助成金」「中途採用等支援助成金」などがあります。

地方自治体

地方自治体は、地域の特性によって様々な目的の補助金や助成金による支援を行っています。国と比べると予算規模が小さいため、比較的金額は小さめで、募集期間が短い傾向です。こまめに情報を確認しておく必要があります。

民間団体

数は少ないものの、民間団体による支援も存在します。民間企業や財団法人が行っていますが、少ないため見つけづらいのが特徴といえます。 三菱UFJ技術育成財団や日本財団による助成事業が有名です。

補助金と助成金の違い

補助金と助成金は公的財源による支援で返済不要である点で共通していますが、いくつか違いがあります。

まずは主な目的です。補助金は主に経産省が運営するもので、「事業」に対する支援です。一方、主に厚生労働省が運営する助成金は「人」に対しての支援です。

次に大きな違いとして、助成金は要件さえ満たしていれば基本的に申請するだけで交付を受けられます。これに対し、補助金は要件を満たして申請しても、審査に通らなければ交付を受けることができません。補助金の種類や時期によっては採択率が低い場合もあります。

また、簡単にもらえる助成金は比較的金額が少なく、補助金は厳しい審査がある分金額が高い傾向にあります。

補助金・助成金が交付されるまでの流れ

【2023年版】ベンチャー企業が活用できる補助金・助成金について詳しく解説

次に補助金・助成金それぞれについて交付されるまでの流れを確認しておきましょう。

補助金が交付されるまでの流れ

  1. 情報収集(申請する補助金の選定・要件等の確認)
    まずは申請する補助金を決めます。経済産業省や地方自治体のサイトなどで情報を集めましょう。要件を満たさないと申請ができませんから、対象者や対象となる事業などをしっかり確認しましょう。
  2. 申請
    申請する補助金が決まったら申請を行います。必要書類を揃えて所定の方法で提出します。不備があると差し戻しになってしまいます。締め切りに間に合うようチェックは入念に行いましょう。
  3. 採択
    無事に申請ができたら、審査結果を待ちます。補助金によって多少異なりますが、おおよそ締め切りから2ヶ月程度で結果が発表されます。
  4. 事業の実施
    無事に採択されたら、実際に事業を実施します。事業実施期間外の支出は基本的に補助対象外になるので注意が必要です。 請求の際に領収書や納品書等が必要になりますので、証憑書類の保存を忘れずに行いましょう。
  5. 交付申請
    事業期間が予め決まっているので、期間終了後に事業にかかった経費をまとめた報告書を作成し、補助金事務局へ交付申請を行います。
  6. 交付
    無事に交付申請が受理されると、補助金が交付されます。

補助金が交付されるのは事業期間終了から更に数ヶ月後になります。前払い制度などが設けられている補助金もありますが、事業の実施に必要な資金は別途用意する必要があるため注意しましょう。

助成金が交付されるまでの流れ

助成金交付までの流れは補助金とほとんど同じですが、採択がないのが大きな違いになります。

  1. 情報収集(申請する助成金の選定・要件等の確認)
    厚生労働省や地方自治体のサイトなどで情報を集めましょう。
  2. 申請
    申請する助成金が決まったら、必要書類を揃えて所定の方法で提出します。申請書と合わせて助成金の目的に沿った事業計画書などが必要になります。
  3. 計画の実施
    補助金と違って採択はありません。無事に申請が済んだら計画を実施します。実施する内容や期間が助成金によって異なるので、すぐに終わる場合もあれば何ヶ月もかかる場合もあります。
  4. 交付申請
    計画が完了したら、報告書など必要書類を揃えて助成金事務局へ交付申請を行います。
  5. 交付
    無事に交付申請が受理されると、助成金が交付されます。

助成金も後払いなので、計画の実施期間に必要な資金は確保しておく必要があります。

補助金・助成金を申請する際の注意点

ベンチャー企業が活用できる補助金・助成金について詳しく解説

補助金・助成金は前述したように原則として返済不要というのが大きなメリットです。一方で、デメリットや注意点についても知っておく必要があります。

ポイントは次の5つです。

  • 補助金・助成金は後払い
  • 期間・条件に注意
  • 事務処理をきちんと行う
  • 一度導入した制度の廃止は困難
  • 不正受給は大きな損失につながる

それぞれ解説していきます。

補助金・助成金は後払い

注意しておきたい最大のポイントが、補助金・助成金は原則として「後払い」だということです。交付までの流れで解説したように、申請したあとに事業を実施しそれから交付までにはさらに数ヶ月がかかるのです。

ですから、事業の実施にかかる費用は別に用意する必要があります。

例えば総額500万円の事業で1/2の補助がある補助金の場合は、事業を行うために必要な500万円をまず自社で支出する必要があります。

これを考慮しないで「1/2の250万円補助が出るから残りの250万円だけ用意しておけばいい」と考えていると、事業を実施することができません。必ず申請した事業の総額を賄えるだけの資金を用意しましょう。

期間・条件に注意

補助金・助成金は、予め対象事業について実施期間を定めるのが一般的です。そこで注意しなければならないのが、補助金・助成金の対象となるのは、事業の実施期間内に支出した経費に限られるということです。実施期間から1日でも早かったり遅かったりした場合、その経費は補助金・助成金の対象になりません。

例えば事業期間が10月1日〜2月28日までだとしたら、9月30日に支出した経費や3月1日に支出した経費は対象外になる可能性が高いです。一部例外が認められるケースもありますが、基本的には認められないと考えておくのが良いでしょう。

また、事業期間は年度末より少し早めに設定されているケースが多いです。

そして、それぞれの補助金・助成金ごとに対象となる経費や雇用などの要件には細かく条件があります。

条件から外れてしまうと対象外になり、交付額が想定より少なくなってしまう恐れがあります。

事務処理をきちんと行う

前述したように補助金・助成金の事業期間が終了したあと、一定期間内に報告書や証憑類を提出する必要があります。ここで報告書がいい加減だったり証憑書類の管理がきちんとできていないと、支払を拒否されてしまう可能性があります。

交付申請の段階で慌てることがないように、日頃から適切な会計処理・事務処理を心がけておきましょう。

一度導入した制度の廃止は困難

助成金の中には新しい制度を導入した場合に受給資格が得られるものがあります。ここで一度作った制度を助成金をもらったあとに廃止するというのは基本的に難しいというのが注意しておきたいポイントです。

導入した制度の廃止は従業員の反発を受けたり、信頼を失うことに繋がりかねません。また、助成金の制約によってすぐに廃止できない場合もあります。

制度の導入にはそれなりの手間がかかりますし、維持していくためにもコストがかかります。

目先の助成金だけを目的に制度の導入を決めてしまうことがないように、きちんとした目的意識をもって、計画的に助成金を活用しましょう。

不正受給は大きな損失につながる

当然ですが補助金・助成金の不正受給は絶対にやってはいけません。

前述したように事業期間外の支出は対象経費になりません。誤って期間外で発注してしまった場合などに日付を書き換えたりするのは明確な不正です。より多くの補助金を得ようと、実際より高い金額で領収書を切ってもらうといったことも当然不正行為になります。

補助金の不正受給が発覚した場合、まず補助金適正化法に基づいて、受け取った補助金を全額返還しなければなりません。さらに、補助金をすべて返還するまでは、返還していない金額に対して年間10.95%が加算されていきます。

それだけではありません。不正を行った事業者は「補助金交付等停止措置企業」として、事業者の名前が経済産業省のホームページに掲載されます。

つまり、不正受給を行った企業としてその名前が公に晒されることになるのです。当然社会的な信用が大きく損なわれますから、企業にとって大きな損失となります。

場合によっては補助金適正化法だけでなく、刑法違反として詐欺罪に問われることもあります。

安易な気持ちで行った不正で事業どころか人生を台無しにする恐れがあることを覚えておきましょう。

ベンチャー企業が活用できる補助金

ベンチャー企業が活用できる補助金・助成金について詳しく解説

ここではベンチャー企業が活用できる代表的な補助金を5つ紹介します。

  • 小規模事業者持続化補助金
  • 事業再構築補助金
  • ものづくり補助金
  • IT導入補助金
  • スタートアップチャレンジ推進補助金

それぞれ詳しく見ていきましょう。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、持続的な経営に向けた小規模事業者等の販路開拓や、業務効率化の取組に対して経費の一部を補助するものです。

「通常枠」「賃金引上げ枠」「卒業枠」「後継者支援枠」「創業枠」の5つの枠があり、いずれも小規模事業者を対象とし、策定した経営計画に基づいて実施する取り組みを支援します。

2023年度からは新たに「インボイス特例」が設けられ、免税事業者から適格請求書発行事業者に転換する「インボイス転換事業者」に対して、すべての枠で補助上限が一律50万円上乗せされることになりました。

補助金額は50~250万と小さめですが、汎用性が高く比較的採択率が高いことから、はじめて補助金を申請しようとする方にとっては、ハードルが低い補助金といえます。

補助対象となる事業者

以下にあてはまる小規模事業者

  • 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く):常時使用する従業員の数が5人以下
  • サービス業のうち宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員の数が20人以下
  • 製造業その他:常時使用する従業員の数が20人以下

医師や医療法人、宗教法人など一部の職種や法人は対象外とされています。

補助金額・補助率

申請類型 補助上限額 補助率
通常枠 50万円 2/3
賃金引上げ枠 200万円 2/3(赤字事業者は3/4)
卒業枠 200万円 2/3
後継者支援枠 200万円 2/3
創業枠 200万円 2/3
※インボイス特例:
インボイス特例の要件を満たす場合は、すべての枠で補助上限額に50万円を上乗せ

主な対象経費

  • 機械装置等費:
    衛生向上や省スペース化のためのショーケース、新たなサービス提供のための製造・試作機械
  • 広報費:
    チラシ・カタログの外注や発送、DMの郵送
  • ウェブサイト関連費(補助金交付申請額の1/4を上限):
    商品販売のためのウェブサイト作成や更新、インターネット広告、バナー広告の実施
  • 展示会等出展費:
    展示会出展の出展料等、関連する運搬費
  • 委託・外注費:
    専門家(税理士、公認会計士、中小企業診断士等)への相談費用

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、ウィズコロナ・ポストコロナ時代の事業再生支援を目的とした、非常に大規模な補助金制度です。新分野展開や業態転換、事業・業種転換、事業再編またはこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に取り組む中小企業等の挑戦を支援します。

2023年は細分化すると7つの申請枠が用意されており、これまでより複雑な補助金制度になりました。補助上限額は千万から億単位と非常に大きく、それだけに採択率は低めです。他の補助金と比べて難易度が高い補助金と言えます。

補助対象となる事業者

事業再構築補助金を申請するには次の要件が必要です。

  • コロナ禍の影響によって売上が減少していること
  • 新分野展開、業態転換、事業・業種転換等、指針に示す「事業再構築」を行うこと
  • 認定経営革新等支援機関(国の認定を受けた中小企業診断士、金融機関等)と事業計画を策定すること

補助金額・補助率

申請類型 補助上限額 補助率
最低賃金枠 最大1500万円 3/4
物価高騰対策・回復再生応援枠 最大3000万円 2/3(一部3/4)
産業構造転換枠 最大7000万円 2/3
成長枠 最大7000万円 1/2(大規模賃上げ達成で2/3に引き上げ)
グリーン成長枠・エントリー 最大8000万円(中堅1億円) 1/2(大規模賃上げ達成で2/3に引き上げ)
グリーン成長枠・スタンダード 最大1億円(中堅1.5億円) 1/2(大規模賃上げ達成で2/3に引き上げ)
サプライチェーン強靭化枠 最大5億円 1/2

主な対象経費

  • 建物費:
    補助事業のために使用される事務所、作業場、倉庫等の建設・改修、撤去、原状回復等の費用
  • 機械装置・システム構築費:
    補助事業のために使用される機械装置、ソフトウェア・情報システム等の購入・レンタルに要する費用
  • 専門家経費:
    事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費
  • 広告宣伝・販売促進費:
    事業で開発又は提供する製品・サービスに係る広告(パンフレット、動画、写真等)の作成、マーケティングツール活用等に係る経費
  • 研修費:
    事業の遂行のために必要な教育訓練や講座受講等に係る経費

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が実施する生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金です。

申請要件別に5つの「枠」が設けられていて、事業規模に応じて上限額が変わります。

最大5,000万円と補助金額が大きくチャレンジする人も多いのが特徴です。ただし採択率は比較的低めで、難易度は高めです。

補助対象となる事業者

中小企業・小規模事業者で、業種によって定められた資本金や従業員数の範囲内の事業者が対象です。

補助金額・補助率

申請類型 補助上限額 補助率
通常枠 5人以下:750万円
6〜20人:1000万円 
21人以上:1250万円
1/2、2/3(小規模・再生事業者)
回復型賃上げ・雇用拡大枠 5人以下:750万円
6〜20人:1000万円
21人以上:1250万円
2/3
デジタル枠 5人以下:750万円
6〜20人:1000万円
21人以上:1250万円
2/3
グリーン枠 エントリー 5人以下:750万円
6〜20人:1000万
21人以上:1250万
2/3
スタンダード 5人以下:1000万円
6〜20人:1500万円
21人以上:2000万円
アドバンス 5人以下:2000万円
6〜20人:3000万円
21人以上:4000万円
グローバル市場開拓枠 3000万円 1/2、2/3(小規模・再生事業者)
※大幅な賃上げに係る補助上限額引上の特例:条件を満たした事業者は通常の申請枠で設定されている補助上限額よりも高い金額で補助を受けることができます。引き上げ額の上限は規模に応じて次の通り
5人以下:各申請枠の上限から最大100万円
6〜20人:各申請枠の上限から最大250万円
21人以上:各申請枠の上限から最大1000万円

主な対象経費

  • 機械装置・システム構築費:
    補助事業のために使用される機械・装置、専用ソフトウェア・情報システムの購入等に要する経費
  • 原材料費:
    試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費
  • 専門家経費:
    事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費
  • 知的財産権等関連経費:
    新製品・サービスの開発成果の事業化にあたり必要となる特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料など
  • 外注費:
    新製品・サービスの開発に必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)するための費用

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者を対象として、生産性を上げるためのITツールの導入について受けられる補助金です。

DX化を進めたくても費用の面で二の足を踏んでいる中小企業は少なくありません。使える経費の範囲が広いIT導入補助金は、そういった中小企業に人気の高い補助金です。

補助金額は最大450万円で、申請要件別に4つの「枠」が設けられています。

また、2023年は下限額の引き下げや撤廃、期間延長などによってこれまでより使い勝手がよくなっているのもポイントです。

補助対象となる事業者

中小企業・小規模事業者で、業種によって定められた資本金や従業員数の範囲内の事業者が対象です。

補助金額・補助率

申請類型 補助上限額 補助率
通常枠A類型 5万~150万円未満 1/2以内
通常枠B類型 150万~450万円以下 1/2以内
セキュリティ対策推進枠 5万円~100万円 1/2以内
デジタル化基盤導入枠 最大 350万円(下限なし) ~50万円部分:3/4以内
50万円超~350万円部分:2/3以内

主な対象経費

  • ソフトウェア:
    業務プロセスを行うためのソフトウェアの購入にかかる費用、電子マネー決済の導入、会計ソフトの導入など
  • オプション:
    ソフトウェアを業務で使用するために必要となる費用、セキュリティソフトの導入、バックアップや管理などに必要なソフトの導入など
  • 付帯サービス:
    導入コンサルティング、導入のマニュアル作成・研修、保守サポートの費用

パソコン本体やタブレット端末などのハードウェアの購入費用は対象外です。

ベンチャー企業が活用できる助成金

ベンチャー企業が活用できる補助金・助成金について詳しく解説

労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)

労働移動支援助成金とは、事業規模の縮小等に伴い、離職を余儀なくされた労働者の再就職援助のための措置を講じる事業主に対する助成金制度で、労働者の早期再就職を目的としています。

早期雇入れ支援コースは、ハローワーク所長の認定を受けた再就職援助計画などの対象者を、離職後3か月以内に期間の定めのない労働者として雇い入れ、継続して雇用することが確実である事業主が受給できます。

主な受給要件は

  • 支給対象者を離職日の翌日から3か月以内に期間の定めのない労働者として雇い入れること
  • 支給対象者を一般被保険者として雇い入れること

です。

受給額は通常助成が支給対象者数×30万円です。

一定の要件を満たすと、優遇助成(支給対象者数×40万円)、賃金上昇加算(支給対象者数×60万円)が適用されます。さらに人材育成支援として、早期雇入れ支援の支給対象者に職業訓練を実施した場合、実施時間に応じて最大50万円が上乗せされます。

中途採用等支援助成金

中途採用等支援助成金は、中途採用の拡大と併せ、東京圏から移住者などを雇い入れることにより、中途採用の拡大を図る取り組みをおこなう事業主を支援することを目的とした助成金です。

「中途採用拡大コース」「UIJターンコース」「生涯現役起業支援コース」の3つのコースがあります。

  • 中途採用拡大コース:雇用管理制度を整備した上で、中途採用社の採用を拡大する事業主に助成する
  • UIJターンコース:地方創生推進交付金を活用して移住支援制度を利用したUIJターン者を採用した中小企業の事業主に助成する
  • 生涯現役起業支援コース:40歳以上の中高年齢者が起業し、従業員を雇用した場合に助成する

コースによって給付額や要件、手続き内容が異なります。

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金は雇用されることが困難と考えられる対象者を雇用した場合に、事業主に一定の条件下で支給される助成金です。次の8つのコースがあります。

  • 特定就職困難者コース
  • 生涯現役コース
  • 被災者雇用開発コース
  • 発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース
  • 三年以内既卒者等採用定着コース
  • 障害者初回雇用コース
  • 定雇用実現コース
  • 生活保護受給者等雇用開発コース

コース、対象者、期間などによって助成金額が異なります。

トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金とは、スムーズな就職が難しいと思われる求職者を、ハローワークなどの職業紹介事業者を介して3か月間試用雇用することで、企業が受け取れる助成金です。

常用雇用の前に助成金を受け取りながら試用雇用できるため、企業側は求職者の適性や能力を見極めることができ、雇用のミスマッチを防ぐことができます。

「一般トライアルコース」と「障害者トライアルコース」があり、受給条件や受け取れる助成金の額が異なります。

地域雇用開発助成金

地域雇用開発助成金とは、求人の少ない地域において雇用保険適用事業所となる施設を設置・整備し、それに伴って労働者を雇い入れた場合に支給される助成金です。地方での雇用機会を増やし、人口の流出を防ぐとともに安定した雇用を確保することを目的としています。

対象となる地域や助成内容などの規定が細かく定められています。

定められた地域に事業所の設置や増改築などの整備を行い、その地域に住む求職者をハローワークなどの紹介で雇い入れることが主な条件です。申請は1年に1回行い、最大で3回まで受給できます。支給額は、対象となる労働者を何人雇用しているか、設備や整備にどのくらいの費用をかけたかによって異なります。

まとめ

ベンチャー企業が活用できる補助金・助成金について詳しく解説

ベンチャー企業が活用できる補助金・助成金について解説してきました。

資金繰りに悩むベンチャー企業にとって、返還の必要がない補助金・助成金の活用は非常に有効な資金調達の手段です。要件に当てはまるなら積極的に活用することをお勧めします。

ただし、基本的に後払いである補助金・助成金はきちんとした計画のもと活用する必要があります。

また、申請に必要な書類を揃えるのは骨の折れる作業です。事業計画書の作成や、事業実施後の報告書の作成に追われて本業がおろそかになっては本末転倒です。補助金・助成金を活用する際は専門家に相談することも検討しましょう。

公認会計士監修の経理・財務業務サポートサービスを提供している『BackofficeForce株式会社』では、資金調達を含めた経理業務のご相談も承っています。経理業務の効率化などのお悩みがある場合も、気軽に問い合わせてみましょう。税理士法人を母体とし、経営革新等支援機関の認定を受けているので、専門性の高い相談にも対応が可能です。

監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
慶応義塾大学商学部卒。監査法人トーマツにて会計監査、株式上場支援、企業の経営改善支援に従事。平成24年筧公認会計士事務所(現:税理法人BackofficeForce)を開設。常に現場に入り、経営者とともに課題に取り組み、経営者と常に相談しながら経営者のニーズに応え、解決策を導き出すことをモットーにしている。スタートアップ企業からIPO(上場)準備支援まで、あらゆる成長段階の企業のサポートをしており、税務会計顧問にとどまらない経営を強くするためのコンサルティングサービスに中小企業経営者の信頼と定評を得ている。東京商工会議所専門家エキスパート、セミナー実績多数。経営者向け人気YouTubeチャンネル「社長の資産防衛チャンネル」にも出演中。

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