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業務効率化に潜む弊害とは?よくある事例と解決方法をご紹介

業務効率化に潜む弊害とは?よくある事例と解決方法をご紹介

近年、「業務の効率化」に取り組む企業が増えています。業務の「ムリ・ムダ・ムラ」を排除して業務の効率化を行えば、生産性の向上にもつながるからです。事業を拡大させたい中小企業などでは、業績改善の手段として業務効率化を行うことも多いです。

しかし、業務の効率化は簡単に進められるわけではありません。さまざまな弊害や課題があるので、場合によっては生産性を低下させてしまう可能性もあります。業務効率化を行う際には、そうしたリスクがあることも理解しなくてはいけません。

そこで今回は、業務効率化を行う上での弊害や課題、課題の解決方法、おすすめのアイデアなどを紹介します。

業務効率化に取り組もうとしている経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

業務効率化の目的

業務効率化の目的は、業務の「ムリ・ムダ・ムラ」を省いて社内の業務を効率的にすることです。

「ムリ」は膨大な業務量によって社員にかかっている負担・「ムダ」は余計な業務プロセス・「ムラ」は業務量の偏りを指しています。

業務の効率化を行うことで、労働時間・労働コストの削減や社員の満足度アップが期待できます。

社員の負担を軽減してワークライフバランスを実現できるようになれば、優秀な人材を確保しやすくなり、将来的に事業拡大や売上アップにもつながるでしょう。

ただし、労働時間・労働コストの削減や社員の満足度アップ、その先の事業拡大や売上アップができるようになるのは、きちんと業務効率化を機能させられたときの話です。
ただ何となく効率化に取り組んでしまうと、場合によっては業務効率化が機能しなくなる可能性があります。

業務効率化が機能しないときの理由は?

業務効率化が機能しないときの理由は?

業務効率化に取り組んでいるのに目に見える成果が上がっていない場合、もしかしたら業務効率化が機能していない恐れがあります。
ここでは、業務効率化が機能していないときの主な理由を3つ紹介します。

課題が明確になっていない

業務の課題が明確になっていないと、何を改善すべきなのか、何から取り組めばよいのか判断できません。

まずは自社の業務フローを可視化して、現在の業務内容や業務の進め方を把握するようにしましょう。
そうすれば、ボトルネックとなっている業務が見えてくるはずです。

業務効率化の手法がわからない

そもそも、どのようにして業務効率化を行うべきなのか理解できていない場合もあります。
具体的な手法やアイデアがわからなければ、解決策が生まれることもありません。

ただ漠然と業務効率化を行うのではなく、必ず具体的な方法を考えた上で取り組んでください。

業務効率化の手法やアイデアとして、ショートカットキーの活用や業務マニュアルの効率化、ツール・システムの導入、アウトソーシングの利用などが挙げられます。

PDCAを回せていない

業務効率化に取り組んでいるのになかなか成果が出ないときは、PDCAサイクルを回せていない可能性があります。
業務効率化に取り組めば、必ず結果が出るわけではありません。
しっかり効果を検証しないと、業務のクオリティが低下し、場合によっては社内が機能不全に陥ってしまうことも。

「作業時間や人件費は削減できているのか」「ミスの発生頻度は減っているのか」などをきちんと確認するようにしましょう。

業務効率化が機能していないときによく起こる弊害

業務効率化が機能していないときによく起こる弊害

また、業務効率化が機能不全に陥っている状態で強引に進めてしまうと、さまざまな弊害が生まれてしまう可能性も。

中身を伴わない形式的な「業務効率化」は、かえって業務の効率性を悪くしてしまうので注意しましょう。

形式的な労働時間削減による生産性の低下

「業務効率化=労働時間の削減」と決めつけて残業時間だけを減らすと、かえって生産性が低下してしまう恐れがあります。

本来効率化すべき課題の解決に着手しないまま残業を減らせば、これまで残業で対応していた業務を通常の業務時間に行わなければならなくなり、コア業務に影響を及ぼしてしまいます。

このような形式的な労働時間の削減は、ただ勤務時間が減るだけなので、結果的に会社全体の生産性が落ちてしまう可能性があるのです。

社員のモチベーションの低下

残業が少なくなると、必然的に残業代も減ってしまいます。
残業代が減るということは、社員の収入が減ることを意味します。収入が減ることで、モチベーションが落ちてしまう社員がいてもおかしくはありません。

例えば、残業時間が月30時間から月10時間に減ると、20時間分の残業代が減ることになります。
残業代が1時間2,000円だとすると、毎月40,000円の収入が減ってしまうのです。社員にとってかなりの痛手といえるでしょう。

社員の自主性やチャレンジ精神が失われる

業務効率化のために画一的に業務フローを統一してしまうと、社員の自主性が失われてしまう可能性もあります。
社員が自分の仕事のやり方を模索したり、工夫したりすることが無くなってしまうからです。
社員が新しいことに挑戦しなくなれば、新しいアイデアなども生まれにくくなってしまいます。

ただ単に統一化を行うのではなく、社員への課題のヒアリングや目的・目標の明確化をしっかり行うようにしましょう。

業務効率化の機能不全を解決する方法

業務効率化の機能不全を解決する方法

自社の課題の洗い出し

業務効率化を進めるときは、はじめに自社の課題の洗い出しを行いましょう。
社内の業務内容を書き出して一覧にしてみると、業務の「ムリ・ムダ・ムラ」が見つけやすくなります。

また、洗い出した業務をフローチャートにすると、業務の流れの中でどこがボトルネックになっているのかも把握しやすくなります。

課題をしっかり認識できれば、具体的な解決策も浮かびやすくなるはずです。

課題を洗い出す際には、自社の社員に直接ヒアリングするのも有効です。
社員が課題に感じていることを改善できれば、業務の効率化を進めやすくなります。

目標や目的の明確化・周知

業務効率化に取り組む前に、「目的」や「目標」を明確にすることが重要です。
抽象的な目的な目標を掲げてしまうと、何から手をつけるべきか分からなくなってしまいます。

また、業務効率化のための手法やアイデアを実行することを目的化しないように注意してください。手段を目的化してしまうと、十分な成果を得られません。

例えば、

  • 労働時間・労働コストの削減
  • ワークライフバランスを実現し、社員満足度を向上させる
  • 優秀な人材の確保・離職率の減少

などのわかりやすい目的や目標を設定し、社内全体に周知するとよいでしょう。

効果の検証

業務効率化に取り組んだら、必ず効果を検証して次につなげましょう。
効果を検証するためには、目標をしっかり設定し、それに対してどれだけ成果をあげられたのか数値で表すことが重要です。

例えば、4人体制で3時間かかっていた作業を、3人体制で2時間で終わらせるなど、目標を数値化しましょう。

数値に対して何パーセント達成しているのか分かれば、業務効率化に対する社員のモチベーションも維持できます。
「いつまでに何パーセント達成しよう」という明確な目標を設定し、1ヶ月、3ヶ月と期限を区切ってその都度達成率を確認するのがおすすめです。

業務効率化におすすめの手法・アイデア

業務効率化におすすめの手法・アイデア

ツール・システムの導入

業務効率化のために、ツールやシステムを導入してみてはいかがでしょうか。
業務効率化を行う際によく利用されるのが、チャット―ツールやグループウェアです。チャットツールやグループウェアを導入すれば、社内コミュニケーションや情報共有をスムーズに行うことができます。

チャットツールを使って社内外とのやりとりを行うと、メッセージの送信やデータの共有などに時間を取られなくなります。

また、グループウェアを活用して社内のドキュメント共有やスケジュール管理などを行うことも業務効率化の一環になります。

予算や目的にあったツール・システムを導入して、業務効率化に取り組んでみてください。

オンラインアシスタントの導入

業務効率化を行うために、オンラインアシスタントを利用するのもおすすめです。
オンラインアシスタントは、総務、経理、人事などのバックオフィスの業務をオンライン上でサポートしてくれます。

サービスによっては、単に定型業務をアウトソースするだけではなく、未整備の状態から業務フローを構築する所から一緒に進めてくれるものもあります。

委託先を選ぶときは、会計や税務の専門家が業務を監修しているかどうかが判断材料になります。経理まわりは処理の正しさが後工程に効くため、担当者個人のスキルではなくチームとして品質を保てる体制かを見ておくと安心です。

必要な業務だけを小さく切り出して始められるかどうかも確認しておきたい点です。範囲を限定して試せれば、任せ方が自社に合うかを見極めてから広げられます。

アウトソーシングサービス(常駐型)の活用

社内リソースだけで業務効率化に取り組めない場合は、「アウトソーシング」を導入して社外の優秀な人材に自社に来てもらうのも一つの方法です。

近年はアウトソーシングサービスが増えているため、どこに任せるか迷うこともあるでしょう。常駐型は自社に人が来る分だけ状況を共有しやすい一方、稼働が固定費に近づきます。オンライン型は必要な範囲を切り出しやすい代わりに、依頼の仕方を整えておく必要があります。

どちらを選ぶにしても、担当者が代わっても同じ品質で回るかどうかが分かれ目です。窓口の人数ではなく、手順や判断基準が引き継げる形になっているかを確認しておくと、後から効いてきます。

まとめ

まとめ

今回は、業務効率化の弊害や課題、その解決方法などを紹介しました。

業務のムリ・ムダ・ムラを取り除くことができれば、労働時間の削減や社員の満足度向上につながります。

ただし、社員の理解や課題の把握をしっかり行わないと、成果を得ることはできません。

まずは目的や目標を明確にして、効率化できそうな業務から少しずつ着手してみましょう。

監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
慶応義塾大学商学部卒。監査法人トーマツにて会計監査、株式上場支援、企業の経営改善支援に従事。平成24年筧公認会計士事務所(現:BackofficeForce株式会社)を開設。常に現場に入り、経営者とともに課題に取り組み、経営者と常に相談しながら経営者のニーズに応え、解決策を導き出すことをモットーにしている。スタートアップ企業からIPO(上場)準備支援まで、あらゆる成長段階の企業のサポートをしており、税務会計顧問にとどまらない経営を強くするためのコンサルティングサービスに中小企業経営者の信頼と定評を得ている。東京商工会議所専門家エキスパート、セミナー実績多数。経営者向け人気YouTubeチャンネル「社長の資産防衛チャンネル」にも出演中。