業務改善に役立つフレームワーク4選!それぞれの特徴や活用方法を徹底解説
働き方改革の推進により、多くの企業が業務改善に取り組み始めています。
組織を管理する方の中には「業務改善を進めたいが、具体的な進め方がわからない」と、お悩みの方も多いでしょう。当記事では、業務改善の進め方と業務改善に役立つフレームワークを紹介していきます。
抽象度の高い問題の解決にはフレームワークを利用することが有効です。フレームワークは業務改善における強力なツールといえます。
目次
業務改善とフレームワークの定義とは
まずは、業務改善とフレームワークの定義を解説していきます。それぞれのイメージを明確にすることで、着手すべき事柄や手順を明確にできるでしょう。
業務改善の定義とは
業務改善とは、より生産的な職場環境を作ることを意味します。
解釈が異なることもありますが、多くの企業が業務改善と銘打ち、ムリ・ムダ・ムラの解消に取り組んでいます。
また、「生産的な職場環境」の意味合いが、時代や働く環境によって変化する点も業務改善の特徴です。
働き方改革が進む昨今では、テレワーク環境下でも業務を進められる環境づくりが求められています。
このような時代背景や職場環境を適切な状態にすることも、業務改善が必要である理由の1つです。
フレームワークの定義とは
フレームワークは、「枠組み」と定義づけられるビジネス用語です。
次の項目で解説するようにいくつかの種類が存在し、目的にあったフレームワークを選ぶことが重要です。
目標設定や可視化、アイデア出しといったフェーズに分け、適切な枠組みを用いるというイメージをもつことで数多くのメリットを手にできます。
業務改善に役立つフレームワーク4選
ここからは、業務改善に活用できるフレームワークを紹介していきます。
フレームワークの特徴を把握し、目的に合わせて使い分けていきましょう。
BPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記)
業務改善の可視化に利用されるフレームワークが、BPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記)です。
「国際標準である」といった特徴から複雑に感じられることもありますが、フローの洗い出しが目的であれば、「シンプルな図で書き出すもの」といった理解で構いません。
社内の業務を書き出し、各業務の関係性や作業内容の可視化に役立つフレームワークがBPMNです。
ECRS(イクルス)
ECRS(イクルス)は、業務フローの改善に役立つフレームワークです。
英語でEliminate(排除)、Combine(統合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)の頭文字をとったものであり、業務の組み合わせや特徴を分析し、統合や交換による改善の可能性を検討します。
ロジックツリー
考えられる対策に論理を付け加えるフレームワークが、ロジックツリーです。
ロジックツリーとは問題の原因を分析し、論理的に分解することで本来の課題を特定する手法を指します。
このフレームワークの特徴は問題を漏れなく、効率的に展開できる点にあります。
例えば「テレワークにおけるコミュニケーション不足」という問題には「ツールの定着」や「モチベーションアップ」という対策が思いつきます。
これがロジックツリーを使うことで、実は「信頼関係ができていない」という問題に帰結することがあります。
このようにロジックツリーは、1つの問題を木の枝が派生するように理論立てられるフレームワークです。
SMART
業務改善に限ったことではありませんが、問題解決のゴール設定に用いられるフレームワークがSMARTです。
SMARTは、Specific(具体的に)、Measurable(測定可能な)、Achievable(達成可能な)、Related(経営目標に関連した)、Time-bound(時間制約がある)の頭文字を取ったビジネス用語であり、目標設定をあるべき形に仕上げるためのフレームワークです。
テレワーク環境下のコミュニケーションを改善するケースであれば、「経営にどのような影響があり、現状の数値をいつまでにどのくらいの数値にするか?」を明確にすることが、SMARTを利用することでもたらされる目標設定です。
業務改善にフレームワークを用いるメリットと注意点
ここからは、業務改善にフレームワークを用いる理由を紹介していきます。
今回取り上げるように、「簡単に現状を可視化できる」、「論点がブレにくい」といったメリットがあるフレームワークですが、一部の注意点があることも理解しておきましょう。
メリット1:簡単に現状を可視化できる
フレームワークを用いる1つ目のメリットが、現状の可視化により共通認識をもてることです。
ビジネスにおける課題は、課題を客観視、俯瞰することが重要です。「物事を俯瞰しよう」という意識を持ち続けることは容易ではありません。
しかし、先ほどのBPMNなどのような枠組みを上手に利用できれば、特別な意識をもたずに問題点の可視化を行えます。
メリット2:共通認識が生まれて要点がブレにくい
論点がブレにくいことも、フレームワークを利用するメリットです。
組織の業務改善には、多くのメンバーが参加することが多く、共通認識が薄いほど意見が多様化する傾向にあります。
その点、フレームワークを活用する場合では、問題点が整理されており、簡単にメンバーに共有できる状況を作り出せます。
問題点の把握が容易であるほど、論点がブレない議論が可能になるわけです。
メリット3:すべての取り組みをロジカルに展開できる
フレームワークを利用すれば、すべての取り組みをロジカルに展開できます。
フレームワークを業務改善に活用する理由は、その取り組みを行う根拠を明確にするためです。
「◯◯◯の業務を省くべきと感じる」ではなく、「可視化した結果、◯◯◯の業務は前工程で行えるため簡素化すべき」といった形にすることで、第三者にも分かりやすいロジックを構築でき、理解者が多いほど業務改善に要する時間を短縮できます。
注意点:フレームワークへの理解が必要
メリットの多いフレームワークですが、しっかりとした理解が必要である点には注意が必要です。
フレームワークにはそれぞれに特徴があり、活用すべき場面があります。
日常業務に追われるあまり、枠組みを変える必要性を理解せず、本来の目的を果たせずに終わることも珍しくはありません。
業務改善にフレームワークをフル活用する具体的な手順
最後に業務改善にフレームワークを活用する、具体的な手順を解説していきます。
「フレームワークを実施すること」に重きを置くのではなく、業務改善そのものを俯瞰する視点をもつことが大切です。
目標の設定を行う
業務改善を行う第一のステップが目標設定を行うことです。
販売促進などにおいては数値目標の設定は当たり前ですが、「業務改善は数値化できない」と思い込んでいる管理者が案外多いものです。
たしかに抽象的な課題は数値化しにくい部分もありますが、フレームワークのSMARTを活用することで、目標を具体化することができます。
「業務改善によって労働時間を10%減らす」といった具体的な目標をもつことで、参加メンバーの一体感も高まるでしょう。
現状を可視化する
現状を可視化することが業務改善を進める2つ目の工程です。
現状の可視化においては、フレームワークのBPMNを活用することが有効です。この工程では「分析を含まない」点に注意が必要です。
BPMNによる図式化に注力し、処理工程や処理時間といった状況の可視化を進めていきましょう。
問題提起を行う
具体的な問題提起をする段階では、ロジックツリーを利用しましょう。
現状を可視化した時点で問題の特定を急いでしまいがちですが、把握している問題の根本的な課題の抽出が重要です。
1つの問題を派生させることで、対策を講じる段階の議論を、より核心に迫るものにできるでしょう。
具体的な対策を検討する
業務改善の最終ステップが、具体的な対策を検討することです。
状況を明確にして根本的な問題が見えてきたところで、フレームワークのECRSを利用して、「排除すべきか?統合すべきか?」といった具体的な対策を検討していきましょう。
まとめ
業務改善をより効果的なものにしたい場合は、フレームワークの価値を理解することから始めていきましょう。
今回取り上げたように、業務改善におけるフレームワークには、「共通認識が生まれて要点がブレにくい」、「すべての取り組みをロジカルに展開できる」といったメリットがあります。
ただし、これらのメリットを実感するには、それぞれの枠組みの特徴を理解し、目的に合わせた活用方法が必要です。
一部の注意点があることも事実ですが、フレームワークを活用することで、時間とコストを節約した、効率的な業務改善を行えるでしょう。
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