失敗しない業務効率化とは?活用すべき評価基準や指標をご紹介。
近年、政府による「働き型改革」の推進によって、各企業の「業務効率化」が進んでいます。
大企業や中小企業、スタートアップ企業まで、業務効率化が求められている時代です。経営者の中には、現在進行形で業務効率化に取り組んでいる方も多いのではないでしょうか。
しかし、「業務効率化は何を目標にしたら良いのか」「どのような評価基準を設けるべきなのか」がわからず、自社で取り組んでいる業務効率化の方法に不安を覚えている方もいるのでは。
そこで今回は、業務効率化に失敗しないための評価基準や指標の設定についてご紹介します。
目次
業務効率化は何を目標にすべきか?
生産性の向上と売上アップ
業務効率化を行うときは、まず生産性の向上と売上アップを目標にしましょう。
業務効率化と生産性向上は混同されやすいですが、業務効率化はあくまで生産性向上のために行うものです。
業務効率化によって業務のムダを削減できれば、その分のリソースを生産性の高い業務に集中させることができます。
生産性の高い業務は、会社の売上に直接関わる部分です。
そこに集中して取り組めるようになれば、自ずと売上アップにつながるでしょう。
ワークライフバランスの実現
近年は仕事とプライベートを両立させる「ワークライフバランスの実現」に注目が集まっています。
仕事もプライベートも充実し、相互に作用するようになれば、相乗効果が生まれて会社に好影響を与えてくれます。
業務効率化を行うときは、ワークライフバランスの実現も目指しましょう。
業務効率化によって無駄な作業が減り、残業が少なくなれば、労働時間の短縮につながります。
労働時間が短くなればプライベートの時間が増えるので、従業員がプライベートを充実させられるようになります。
従業員満足度の向上と人材定着
業務効率化によってワークライフバランスを実現し、授業員がプライベートの時間を確保できるようになれば、趣味の時間や家族との時間が増えて従業員の満足度が向上します。
また、従業員がプライベートの時間を確保できるようになると、人材の定着にもつながります。
仕事の時間がプライベートを圧迫していると、出産や育児、介護などの理由で離職してしまう人が多くなってしまいます。
しかしプライベートの時間を確保できれば、会社を辞める必要がなくなり、人材流出を抑えることができるのです。
さらに、従業員のワークライフバランスを重視している企業というイメージが定着すれば、新しい人材の確保にもつながるでしょう。
業務効率化の目標を達成するには「指標」をつくる
成果を数値化
業務効率化の目標を達成するためには、成果の数値化を行いましょう。仕事の成果をはかるときは、「数字=数値」で判断するのが基本です。
数字によって成果を判断ができれば、「その数字をどう増減させてつぎにつなげるか」といった新たな施策も考えやすくなります。
また成果がわかりやすく数値化されていれば、業務効率化を行うときのモチベーションにもなります。
業務効率化を行うときは、可能な限り成果を数値化して、進捗状況を判断しましょう。
「1時間かかっていた会議を30分に短くしよう」「月の残業時間を20時間から10時間に減らそう」という形で数値化し、達成度合いを確かめながら効率化を進めてください。
中には数値化が難しい業務もありますが、できる限り客観的指標を設け、それを基準に評価するようにしましょう。
数値を意識しすぎるのは禁物
ただし、数値を意識しすぎるのは禁物です。数値を意識しすぎると、そもそもの業務効率化の目的や業務の本質、中長期的な視点などを見失ってしまう恐れがあります。
業務効率化の目標は、あくまで先ほど上げた「生産性の向上・ワークライフバランスの実現・従業員満足度の向上と人材定着」です。
この目標はすぐに達成できるものではなく、中長期的な視点が必要。
しかし、目先の数字はかり追ってしまうと、的外れな方法で業務効率化に取り組んでしまうこともあります。
また、あまりに成果の達成に注力しすぎてしまうと、従業員の業務が圧迫されて、心身のバランスが崩れてしまうことも。これでは、ワークライフバランスの実現や従業員の満足度向上と真逆の結果となってしまい、本末転倒です。
成果を数値化して達成意欲を持ちながら業務の効率化に取り組むのは良いことですが、あまり数字に執着しすぎないようにしましょう。
業務効率化のための指標とは?
KGI
KGIとは「Key Goal Indicator」の頭文字を取った略語です。「重要目標達成指標」とも呼ばれています。
会社が設定した最終的な成果目標を達成しているか判断するための、重要な指標となります。
KGIの例でわかりやすいのが、売上や利益・利益率などです。
KGIを設定するときは、数値化された具体的な最終目標を決めて、それを達成するための過程を逆算する必要があります。
KPI
KPIは、「Key Performance Indicator」の頭文字の略語です。日本語では「重要業績評価指標」のことを指します。
KPIは、目標の進捗状況や達成度合いを判断する「ものさし」だと考えましょう。「KGIを達成するための細かな目標」とイメージするのが良いかもしれません。
KGIを設定するだけでは、「目標達成のために何をしたら良いのか?」という部分が漠然としてしまいます。
それでは業務効率化を行うときに取り組むべきポイントがわからなくなるので、KPIをで細かな目標を設定し、進捗状況や達成度合いを数値に置き換えましょう。
業務効率化のためにKGIとKPIを設定するときのポイント
まずはKGIを設定
まずは、業務効率化の最終的な目標となるKGIを設定しましょう。
KGIを設定する際は、先述したように数値化された具体的な最終目標を定めてください。
ただ「業務効率化に取り組む」「売上をアップする」という漠然とした目標だけでは、何から取り組むべきなのか、何を行ったら良いのかがわからず、業務効率化は失敗に終わってしまいます。
「〇年以内に売上を△倍にする」「月の残業時間を◎時間まで削減する」といった具体的な数値目標を決めることが重要です。
KPIは、KGIから逆算して設定
KGIを設定したら、KGIを達成するための細分化された目標となるKPIを設定しましょう。
たとえば、「〇年以内に売上を△倍にする」というKGIを設定したとします。
そのKGIに対し、「1年ではどれだけ〇%売上をアップさせるべきか」「営業人員を〇名にして、リソースを集中させよう」「1日のうち、バックオフィス業務に割く時間は1人あたり〇時間まで削減しよう」などのKPIを決めましょう。
なお、KPIはあくまでKGIを達成するための細かな目標なので、KGIから逆算して設定する必要があります。
すべてのKPIを達成すれば自然とKGIも達成できるように、KPIを設定してください。
まとめ
今回は、業務効率化に失敗しないために活用すべき評価基準や指標をご紹介しました。
業務効率化への取り組み方は各企業によって異なると思いますが、目標や、目標を達成するための指標は同じです。
まずは自社の業務状況をきちんと調べたうえで、目標や指標を設定しましょう。
目標と指標が決まったら、進捗状況や達成度合いを都度チェックしながら、効率化を進めるようにしてください。
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