経理代行を調べはじめたとき、まず気になるのが「毎月いくらかかるのか」です。ただ、料金表に並んだ月額だけで選ぶと、あとになって「思ったより手間が減らない」「担当者が代わるたびに業務を教え直している」といった、見えないコストに悩まされることがあります。
本記事では、経理代行の費用が何で決まるのかを、サービスの「タイプ」と「業務範囲」の両面から整理します。そのうえで、目先の安さで選んで3年後に後悔しないための選び方まで整理します。
経理代行に頼めること、頼めないこと
経理代行に頼めるのは、日々の記帳から給与計算、経費精算、月次・決算の実務まで、幅広い経理業務です。まずは、どこまで任せられるのかを整理します。
- 記帳代行:日々の取引を帳簿に記録する業務。毎日発生し量も多いため、委託の効果が出やすい領域です。
- 給与計算・年末調整:支給額の計算に加え、社会保険や控除の計算、年に一度の年末調整まで。
- 経費精算:立替・支払いの処理。件数が多く、担当者の負担になりがちです。
- 決算処理:試算表や決算書の作成補助。正確性と期限が求められます。
一方で、経理代行に「頼めないこと」もあります。税務申告書の作成・提出や税務相談は、税理士の独占業務のため、経理代行会社そのものは行えません。この線引きは、後述する費用にも関わる重要なポイントです。なお、BackofficeForceでは、税務が必要な場合は必要に応じてグループ会社である税理士法人グランサーズで対応できるため、経理実務から税務まで切れ目なくご相談いただけます。
経理代行の費用はどう決まるか——「タイプ」と「業務範囲」で見る
経理代行の費用は、「どんなタイプのサービスか」と「どの業務をどの範囲まで頼むか」の2つの軸で決まります。同じ「経理代行」という言葉でも、記帳の一部を切り出すだけの委託と、業務を仕組み化して運用ごと引き受ける委託とでは、費用に何倍もの開きが出ます。相場の平均値を自社に当てはめても、判断材料にはなりません。
まず、サービスのタイプによって「何を引き取ってもらえるか」が変わります。
| タイプ | 引き取ってもらえる範囲 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 記帳代行・スポット | 指示した作業だけ。手順と判断は社内に残る | 業務が整理されていて、手を増やしたいとき |
| 代行型の経理代行 | いまの業務をそのまま肩代わり。手順は今のまま引き継がれる | 担当者の退職などで、まず回す人が必要なとき |
| 改善型(仕組み型)・BPaaS | 手順と判断基準の言語化まで含めて、運用ごと引き受ける | 属人化を解消し、担当者が代わっても回る状態にしたいとき |
下にいくほど費用は上がります。その差が何を意味するのかは次章で説明します。
次に、同じタイプでも業務ごとに費用を左右する要素が違います。見積もりを依頼する前にこの列の内容を自社で棚卸ししておくと、複数社に同じ条件で依頼でき、金額を並べたときの比較が成立します。
| 業務 | 費用を左右する要素 |
|---|---|
| 記帳代行 | 月間の仕訳数、証憑の受け渡し方法、勘定科目の判断まで任せるかどうか |
| 給与計算 | 従業員数に加えて、雇用形態の種類、手当・控除の複雑さ、入退社の頻度 |
| 年末調整 | 対象人数と、申告書の回収・不備確認まで任せるかどうか |
| 決算処理 | 会社規模、月次決算が固まっているか、開示や連結を含むか |
決算書類の提出や申告手続きは税理士資格がないとできないため、申告まで一括で頼む場合は、税理士事務所や税理士と連携したサービスに委託する必要があり、その分の費用が上乗せされます。
「一番安い」で選ぶと、3年後に一番高くつく
料金表を並べると、つい月額の安いサービスに目が向きます。しかし、経理代行には大きく「代行型」と「仕組み型(改善型)」の2つがあり、この違いを見落とすと、安さが逆に高くつきます。
代行型は、今のやり方のまま業務を外部の担当者に肩代わりしてもらう形です。導入は速く、月額も安く見えます。ただ、業務がその担当者の頭の中で回るため、担当が代われば品質が揺れ、こちらから逐一指示や確認をしなければ回りません。社内にあった属人化が、社外へ移るだけの状態です。
仕組み型(改善型)は、業務を「誰がやっても同じ品質で回る」形に設計し直しつつ引き受けます。初期費用や月額は高めですが、一度仕組みができれば担当が代わっても品質が落ちず、指示や確認の手間も減っていきます。
私たちが現場で繰り返し見てきたのは、「一番安い代行を選んだ会社が、3年後には一番高いコストを払っている」という逆転です。安さの正体は、あとから払う管理コストの先送りだったわけです。この「代行型と仕組み型」の考え方は、「BPaaSとは」でくわしく解説しています。
失敗しない経理代行の選び方
月額の安さだけでなく、次の視点で確認すると、代行型の安さの罠を避けられます。
- 判断基準まで引き取ってくれるか。手順だけでなく「例外時にどう判断するか」を言語化して受けてくれるか。
- 担当者が代わっても回る設計か。特定の担当者に依存しない体制か。
- 業務が見える状態で返ってくるか。進捗や基準がこちらから分かるか。
- 業務量の増減に対応できるか。繁閑に合わせて伸縮できるか。
- 税務が必要なときの体制があるか。経理代行単体では税務申告はできないため、申告まで見据えるなら、税理士と連携できる体制(グループ会社など)かを確認しておくと安心です。
BackofficeForceの経理代行——「仕組みで回る」状態にする
BackofficeForceの経理代行は、代行型ではなく改善型です。記帳・請求・支払・給与計算・年末調整の実務を、担当者に依存せず「仕組み」として回る状態に設計しつつ引き受けます。
具体的には、引き受けながらいまの業務を棚卸しし、手順だけでなく「例外のときにどう判断するか」まで言語化していきます。判断基準が形として残るため、担当者が代わっても品質が落ちず、社内で逐一指示や確認をする時間も減っていきます。業務量が増減しても、任せる範囲を組み替えて対応できます。
費用は業務範囲に応じてお見積もりします。まずは、いまの経理のどこが属人化し、どこを仕組みに変えられるかを整理するところから始めませんか。
よくある質問(FAQ)
Q1. 経理代行の費用はどのくらいかかりますか?
サービスのタイプと任せる範囲で大きく変わり、記帳中心のスポットと、運用ごと引き受ける改善型とでは何倍もの開きが出ます。相場の平均値を探すより、まず「どこまで任せるか」を決めてから同じ条件で見積もりを取るほうが確実です。
Q2. 記帳代行だけを頼む場合、何で費用が変わりますか?
月間の仕訳数がもっとも大きく効きます。加えて、証憑の受け渡し方法(紙かデータか)と、勘定科目の判断まで任せるかどうかで作業量が変わります。仕訳1件あたりの従量制を採るサービスもあるため、直近1年の仕訳数を把握してから相談すると比較しやすくなります。
Q3. 安い経理代行を選んでも問題ないですか?
記帳中心で業務が単純なら、安価なサービスでも十分なことがあります。ただ、業務が属人化していると、代行型では属人化が社外に移るだけで、担当交代のたびに引き継ぎコストが発生します。安さだけでなく「仕組みで回るか」を確認してください。
Q4. 費用対効果はどう考えればよいですか?
月額だけでなく、見えないコスト(引き継ぎ・品質のばらつき・指示や確認の手間)を含めて比較してください。自社の担当者がその業務に割いている時間を金額に換算すると、改善型の費用対効果が見えやすくなります。
Q5. 経理代行に税務申告も頼めますか?
税務申告・税務相談は税理士の独占業務のため、経理代行会社そのものは行えません。申告まで必要な場合は、税理士と連携したサービスを選ぶ必要があります。BackofficeForceでは、必要に応じてグループ会社である税理士法人グランサーズで対応できます。
さいごに——経理の費用は「月額」ではなく「3年後」で考える
経理代行の費用は、月額の数字だけを見ると作業を肩代わりする代行型が魅力的に映ります。しかし、属人化したまま外注すると、担当交代や品質のばらつきといった見えないコストが積み上がり、数年後には割高になりがちです。BackofficeForceは、経理を「仕組みで回る」状態に設計し直す改善型の経理代行で、貴社の経理が人に依存しない状態になるまで伴走します。まずは無料相談で、いまの経理のどこを仕組みに変えられるかを一緒に整理しましょう。