TELリンク

経理担当が突然辞めたら|最初の72時間でやること【公認会計士監修】

経理担当が突然辞めたら|最初の72時間でやること【公認会計士監修】

経理担当者から突然の退職届。頭が真っ白になっているかもしれませんが、大丈夫です。最初の72時間で「止めてはいけない業務」を確保できれば、会社は止まりません。

本記事は、読んで学ぶための記事ではなく、上から順に実行するための記事です。1,500社以上のバックオフィスに携わってきたBackofficeForce(監修: 筧智家至・公認会計士/税理士)が、実際の緊急支援の現場で使っている手順をそのまま公開します。

まず最初の3時間でやること──支払いとアクセスの確保

経理不在の初動──支払いとアクセス権限の確保

最優先は「お金の流れを見える状態にする」ことです。理由は単純で、経理不在で最初に会社を傷つけるのは、支払遅延と入金放置だからです。次の3つを、今日中に押さえてください。

  1. 会計ソフト・ネットバンキング・給与計算・請求書発行・経費精算の5システムのログイン権限を確保する(退職者しか入れないシステムをゼロにする)。
  2. 直近2週間の支払予定・請求予定を書き出す。
  3. 今月の給与支給日・税金/社会保険料の納付期日をカレンダーに落とす。

この3つだけで「今日明日で会社が信用を失う事故」はほぼ防げます。

「来月の資金繰り、どうなってる?」に即答できない状態は、担当者の能力の問題ではなく、答えを知っているのがその人だけだったという仕組みの問題です。だからこそ、最初の3時間は「人を探す」のではなく「情報の在り処を押さえる」ことに集中してください。

BOF式72時間トリアージ──時間帯別の対応タイムライン

経理業務の棚卸し──毎日・毎週・毎月・年次で分類する

BackofficeForceが緊急支援の初動で使う手順を「BOF式72時間トリアージ」として公開します。トリアージ=優先順位付けです。全部を完璧にやろうとせず、時間帯ごとの目標だけをクリアしてください。

  • 【0〜3時間】アクセス権限5点セットの確保(会計/銀行/給与/請求/経費)。パスワード変更とバックアップ。支払予定の抽出。
  • 【当日中】経理業務の棚卸し。「毎日やること/毎週/毎月/年次」の4分類で書き出し、期日があるものに★を付ける。書類・データの保管場所(PC内・サーバー・クラウド・紙)を横断確認。
  • 【24〜48時間】暫定分担を決める(総務が請求書管理・経営者が支払承認など役割を明文化)。顧問税理士に状況を共有し、当月の申告・納付スケジュールを確認。主要取引先には担当変更のみ通知(内情説明は不要)。
  • 【48〜72時間】社内だけで回るか判定する。判定基準は「月次締めの目処が立つか」「給与計算の次回サイクルを一人で回せる人がいるか」。NOなら外部の専門チームへ。スポット(後任が決まるまでの3ヶ月だけ等)でも依頼できます。

72時間で「止まらない状態」さえ作れば、その先は落ち着いて再設計できます。実際、経理の月次締めが2ヶ月遅れだった会社が、業務の可視化とチーム化によって15日後の締めまで短縮できた事例もあります(BackofficeForce支援実績)。

経理業務そのものの外部委託も視野に入れるなら、経理代行サービスのメリットの記事もあわせてご覧ください。

絶対にやってはいけない3つのこと

経理担当の退職時にやってはいけないこと

焦って動くと、かえって復旧を遅らせる打ち手があります。次の3つは避けてください。

①慌てて採用に走る──「人が辞めたから人を採る」は一見正しい判断に見えます。ですが、渡せる状態に業務が整理されていないまま採用すると、新人には周辺業務しか渡せず、本丸の判断業務は結局残った誰かが抱え込みます。人を増やすほど解決から遠ざかる「採用ループ」に入る前に、まず業務を渡せる形にすることが先です。

②前任者を責める・急かす──引き継ぎ協力を得られる可能性を自ら断つことになります。連絡窓口は一本化し、事務的・丁寧に。

③「なんとか回っているから」で放置する──「回っている」と「持続的に回る」は別物です。残ったメンバーの頑張りで表面上回っている状態は、次の退職で確実に崩れます。

なぜ突然辞めたのか──根本原因は「属人化」

落ち着いてきたら、一度だけ振り返ってください。給与が低かったから、人間関係が悪かったから、激務だったから──こうした分析は、実はほぼ的外れであるケースが大半です。経理担当者が辞める本当の原因は、属人化です。一人にしか分からない業務は、本人にとって「休めない・評価されない・失敗だけ目立つ」減点主義の世界になります。「自分がいないと会社が回らない」は、聞こえはいいですが、本人にとっては地獄です。そして優秀な人ほど「私がやった方が早い」で仕事を抱え込み、静かに限界を超えていきます。

「○○さんに聞けばわかります」が一番怖い──これが、3,500社以上の支援に携わってきた筧の結論です。優秀な担当者ほど経営者に質問せずに進めるため、問題は退職した瞬間に初めて表面化します。突然辞められた側に見えていなかっただけで、構造としては何年も前から始まっていたのです。属人化そのものの原因・リスク・解消法は、属人化とは|原因・リスク・BOF式解消メソッドでくわしく解説しています。優秀な人が辞めていく背景は優秀な人が突然辞める理由もあわせてご覧ください。

再発を防ぐ──採用より先に、仕組み

再発防止──採用より先に、仕組みで回す

再発防止は3手順です。

①採用より先に仕組み──業務の棚卸しと判断基準の言語化を先に行います。マニュアルは「作った」ではなく「前任者不在で新しい人が回せた」で完成とみなします。

②引き継ぎを日常にする──退職が決まってから引き継ぐのではなく、画面録画やマニュアルの日常更新で「常に引き継げる状態」を保ちます。

③入力する人とチェックする人を分ける──二人体制はミス防止だけでなく、業務が一人の頭の中に閉じることを構造的に防ぎます。

強い会社は人に依存しない。設計に依存する。これが、採用できても、できなくても回る会社への転換点です。業務を仕組みに変える考え方は業務設計とは、決算が遅れる背景は月次決算が間に合わない原因は属人化ですで解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 経理担当が辞めて引き継ぎが全くありません。何から手をつけるべきですか?

まず会計ソフト・ネットバンキング・給与計算システムのアクセス権限を確保し、直近2週間の支払予定を書き出してください。支払遅延の防止が最優先です。

Q2. 月次決算の直前に辞められました。今月の決算は諦めるべきですか?

諦める必要はありませんが、優先順位の組み替えが必要です。支払・給与・納付を先に確保し、月次はチェックリストで再構築します。

Q3. 復旧までどのくらいかかりますか?

初動が適切なら、支払・請求などの生命線業務は72時間以内に暫定復旧できるケースが大半です。月次決算を含む通常運転への完全復帰は1〜2ヶ月が目安です。

Q4. 後任を採用すべきですか、外部に任せるべきですか?

業務が言語化されていない状態での採用は失敗しやすいため、まず外部チームで業務を可視化・標準化し、その後に「採用する/しない」を選べる状態を作るのが安全です。

Q5. 費用はどのくらいかかりますか?

業務範囲によりますが、正社員1名の人件費より低いコストで専門チームに任せられるケースが多く、後任が決まるまでのスポット契約も可能です。

さいごに──まずは72時間、会社を止めないことから

経理担当の退職で、いま業務が止まりかけていませんか。BackofficeForceは即日ヒアリング・2週間以内で稼働開始の緊急対応窓口を設けています。マニュアル整備率98%以上・工数削減実現率95%以上の専門チームが、「止めない」を最優先に伴走します。

まずは今日の状況をそのままお聞かせください。何が止まりかけているのか、どこから手をつけるべきか、最初の整理からご一緒します。

450以上 導入!

経理部の危機に、 プロチームの力を!

  • 1 プロ経理が対応
  • 2 工数削減 30 50
  • 3 クラウド対応&オンライン完結
監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
監修|筧 智家至(公認会計士・税理士)
慶応義塾大学商学部卒。監査法人トーマツにて会計監査、株式上場支援、企業の経営改善支援に従事。平成24年筧公認会計士事務所(現:BackofficeForce株式会社)を開設。常に現場に入り、経営者とともに課題に取り組み、経営者と常に相談しながら経営者のニーズに応え、解決策を導き出すことをモットーにしている。スタートアップ企業からIPO(上場)準備支援まで、あらゆる成長段階の企業のサポートをしており、税務会計顧問にとどまらない経営を強くするためのコンサルティングサービスに中小企業経営者の信頼と定評を得ている。東京商工会議所専門家エキスパート、セミナー実績多数。経営者向け人気YouTubeチャンネル「社長の資産防衛チャンネル」にも出演中。